コスパのいい資格を教えてほしい。 これから士業の資格を受けようと思うんだけどおすすめがどれか迷う…
士業の資格をとろうと考えていても、どの士業が今はおすすめなのか、コスパがいいのか悩んでいる方は多いと思います。
そこで本記事では、コスパ最強の士業資格はどれかを10の士業を徹底比較しました。
1.コスパのよい資格はどれか!?士業9つを徹底比較
対象の士業は上の10こです。タイプは大きく4つに分かれます。
- ①学生・20代が目指す難関資格「司法試験(弁護士)」「公認会計士」
- ②社会人が目指す難関資格「弁理士」「税理士」「不動産鑑定士」「司法書士」
- ③社会人が目指す難関資格「社労士」「中小企業診断士」「行政書士」
- ⓸社会人が目指す資格「宅建士」
どの資格が優れているかとか劣っているかとかそういう判断ではなく、労力と金銭に見合った対価(年収・働きやすさなど)が得られるのかを以下、筆者の独断で判断していきます。
①弁護士
①弁護士になるには!? 法科大学院修了(2~3年)又は予備試験合格➤司法試験合格➤司法修習(1年)➤考試合格➤弁護士登録 ②予備試験に合格するための勉強時間 6000時間(参考:cpa-net.jp) ③弁護士の平均年収は!? 1,028万円(参考:平均年収.JP) ④合格者の平均年齢は!? 28.8歳(平成30年度) ⑤登録者数は!? 38,980人(平成29年度)
弁護士になるための道のりは士業資格の中でもダントツに険しいです。
というのも「司法試験」と「考試」の最低「2回」(※法科大学院卒でない方は予備試験を含めた3回)合格しないといけないからです。
しかも司法試験を受験できるチャンスは5年間しかありません。
5年の間に合格できなければふりだしの予備試験に戻ります。
修習を受けたに最終試験である「考試」に合格しないといけません。
この「考試」は1日1科目計5日間行われます。1科目の試験時間は「7時間半」ですからとてもハードです。これが5日連続で行われます。
しかもこの「考試」は不合格になると次の期の「考試」を受けなければなりません。
つまり不合格になるとまた来年受けないといけないというとてもハードです。
また、法科大学院に入学すると授業料が数百万円かかり、初期投資費用が士業の中でも高いです。
弁護士は最強の資格と言われており、資格をとれば安定はしますが、資格をとることがとても難しいので、よく考えて受験をすることをおすすめします。
ポイント 司法試験の難易度・勉強時間・通信講座については以下の記事が参考になるでしょう。 続きを見る 続きを見る 続きを見る
資格の難易度(お手軽さ)
「E」最難関。
合格から登録までのしやすさ
「D」合格してから研修。また登録費用が100万円ほどかかる
資格の役立ち度
「A」法律事務所へ転職もできる。独立もやりやすい。
30歳からの一発逆転性
「B」合格者平均年齢より高めであり年齢的にやや難しい。
コスパランク
「C」
司法試験の難易度が易しくなった? 合格率上昇の本当の理由とは?
司法試験の合格に必要な勉強時間はどれくらい?社会人に最適な時間の管理法
2023年最新】予備試験・司法試験通信講座のおすすめと比較は?失敗しない選び方も解説
②公認会計士
①公認会計士になるには!? 受験資格なし➤公認会計士試験合格➤実務経験(2年)と実務補修所での単位取得➤最終試験合格➤登録 ②公認会計士の平均年収は!? 926万円(参考:平均年収.JP) ③公認会計士試験に合格するための勉強時間 3000時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は!? 25歳(平成30年度) ⑤登録者数は!? 37,243人(平成30年度)
公認会計士も司法試験同様に「2回」試験があります。
公認会計士試験に合格した後に、2年の実務経験と実務補修所での単位を取得して最終試験に合格すれば公認会計士に登録できます。
公認会計士も弁護士同様道のりは険しいです。
また、公認会計士の場合、予備校に通うとなると(通信講座を含む)、格安の予備校がなく50万円以上とかなり高額の出費となります。
ただし、公認会計士の資格をとると、監査法人など転職できる業界の幅は広いといえますし、独立開業で成功しやすい資格ともいえます。
資格の難易度(お手軽さ) | 「D」最難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「C」合格してから実務経験と補修所で単位を取得。試験もある。 |
資格の役立ち度 | 「A」監査法人など転職がしやすい。独立もやりやすい。 |
30歳からの一発逆転性 | 「B」合格者平均年齢より高めであり年齢的にやや難しい。 |
コスパランク | 「B」 |
③司法書士
①司法書士になるには!? 司法書士試験合格➤(配属研修)➤司法書士登録 ②司法書士の平均年収は!? 630万円(参考:平均年収.JP) ③試験に合格するための勉強時間 3000時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は!? 40.8歳(2019年度) ⑤登録者数は? 22,742人(2020年)
司法書士は難易度が高いと言われますが、受験資格がないことと、司法書士試験に合格すると司法書士に即登録できるという点でコスパよしといえます。
配属研修は登録のための必須ではありません。
弁護士や公認会計士とちがってそれほど労力はかからないかと思います。
しかもなぜか弁護士と公認会計士と違って、平均年齢が高すぎです。
これはおそらく大学生がストレートで司法書士を目指す、と言う人が少ないことが原因にあると思います。
このため、30代から資格をとっても一発逆転性は高く、司法書士事務所への転職も可能ですので転職に有利といえます。
司法書士の難易度・勉強時間・通信講座についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
-
司法書士の難易度は言うほど高くないのか?行政書士との比較も解説
続きを見る
-
司法書士試験の勉強時間は最短1000時間で合格可能って本当?徹底解説
続きを見る
-
2023年最新】予備試験・司法試験通信講座のおすすめと比較は?失敗しない選び方も解説
続きを見る
ただし、司法書士のメイン業務である登記業務の需要が減少傾向といわれており、年収は年々減少気味のようです。
参考:「【司法書士】士業はすでに役割を終えた?オワコンなの?」
資格の難易度(お手軽さ) | 「C」難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「A」数十万円の登録費用はかかるが即登録できる。 |
資格の役立ち度 | 「B-」司法書士事務所は年収低め?メイン業務が稼ぎにくくなりつつある。 |
30歳からの一発逆転性 | 「C」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。ただし年収は低めの傾向。 |
コスパランク | 「C」 |
④弁理士
①弁理士になるには!? 受験資格なし➤弁理士試験合格➤研修(1月程)➤弁理士登録 ②弁理士の平均年収は!? 700万円(参考:平均年収.JP) ③試験に合格するための勉強時間 3000時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は!? 37.8歳(2020年度) ⑤登録者数は? 11,610人(2020年)
弁理士の場合、受験資格なしであり、資格合格をするとほぼすぐに登録できます。
さらに合格者の平均年齢も高めであり、30代からの一発逆転性も高いです。
資格をとれば、特許事務所への転職が有利となりますし、特許事務所で弁理士として働けば、上場企業のサラリーマンよりも高い年収を稼ぐことができます。
また、独立開業もしやすい資格であり、筆者も現在は独立開業して十分食べていけています。
登録者数は士業の中でも少な目であり、ほとんどの弁理士は特許事務所勤務が多く、独立開業をしている弁理士の数が少なく、競合が少ないのもポイント高いです。
ネックとなるのは、弁理士試験の難易度ですが、ぶっちゃけ言うほどでもないです。
筆者は難関大学出身ではないですが、短答・論文必須・口述の全てに一発合格しており、誤った勉強のやり方をしなければ1~2年くらいでとることはできます。
資格の難易度(お手軽さ) | 「C」難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「A」数十万円の登録費用はかかるが1ヵ月ほどの研修後即登録できる。 |
資格の役立ち度 | 「A」ニーズは依然とある。勤務弁理士でも年収高め。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「A+」個人的に難関と言うほどでもない。 |
弁理士というと、あまりよく知らない方も多いと思います。
また弁理士の情報についてもあまりネットで見られません。
弁理士の難易度・勉強時間・通信講座についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
-
弁理士試験の難易度はどのくらい?合格に必要な勉強時間や対策を弁理士が解説
続きを見る
-
弁理士試験に必要な勉強時間とは?合格するための勉強法とポイント」
続きを見る
-
【2023年最新】弁理士通信講座のおすすめと比較は?合格者が解説
続きを見る
⑤不動産鑑定士
「不動産鑑定士になるための道のり」「平均年収」「必要な勉強時間」は以下のとおり。
①不動産鑑定士になるには!? 不動産鑑定士試験合格➤実務修習(1年コースOR2年コース)➤不動産鑑定士登録 ②不動産鑑定士の平均年収は!? 752万円(参考:給料BANK) ③試験に合格するための勉強時間 3000時間 ④合格者の平均年齢は!? 35.8歳(2018年度論文式試験) ⑤登録者数は? 9,411人(2020年)
不動産鑑定士の場合には、試験に合格してから実務修習を習得しなければ登録できません。
実務修習は、1年コースと2年コースの選択制のようですが、1年コースは厳しくて現実的に2年かかるようです。
このため労力と時間をかけますが、不動産鑑定士は競合が少ないようで年収は高く、安定しているようです。
労力と時間をかけるものの、登録した後は割に合う資格のようです。
資格の難易度(お手軽さ) | 「C」難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「B」研修期間が長め。 |
資格の役立ち度 | 「A」競合少な目。勤務形態でも安定した収入。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「A」 |
⑥税理士
①税理士になるには!? 税理士試験合格➤実務経験(2年)➤税理士登録 合格に必要な勉強時間(目安) ②税理士の平均年収は!? 1042万円(参考:平均年収.JP) ③試験に合格するための勉強時間 2500時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は!? 41歳以上の割合が多い(参考:https://www.career-adv.jp/impressions/3860/) ⑤登録者数は? 79,243人(2020年)➤滅茶苦茶多い
税理士の場合には、試験合格に加えて、2年の実務経験が登録の要件のようです。
また、税理士試験の場合には、5科目の試験全てに合格する必要がありますが、このうち1科目でも合格していれば、翌年以降はずっとその科目について合格が免除されます。
このため、労力が一気に吹っ飛ぶといったリスクは回避されやすい試験といえます。
税理士の場合、税理士事務所など転職の幅は広いですが、登録者数が他の士業と比べて滅茶苦茶多いです。
個人に加えて企業のほとんどがお世話になるのが税理士であり、顧問料や報酬なども高く、仕事がとれるとかなりの高年収も見込めそうですが、仕事がとれるかどうかが難しい士業といえます。
たとえば、税理士の坂根さんは資産運用相談など、税理士としての幅を広げて活動されているので、参考にしてみてください。
資格の難易度(お手軽さ) | 「C」難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「B」実務経験が必要。 |
資格の役立ち度 | 「A」転職も独立もやりやすい。顧問料がとれるので年収は高め。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「A」登録者数滅茶苦茶多いのが気になるがそれでもコスパは良いと思う。 |
⑦社労士
「社労士になるための道のり」「平均年収」「必要な勉強時間」は以下のとおりです。
①社労士になるには!? 社労士試験合格➤実務経験(2年)➤社労士登録 ②社労士の平均年収は!? 670万円(参考:平均年収.JP) ③試験に合格するための勉強時間 1000時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は? 40代の割合が多い(32.3%)(参考:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/sankou4.pdf) ⑤登録者数は? 42,153人
社労士も税理士同様に試験合格に加えて、2年の実務経験が登録の要件のようです。
このため、もしあなたが社労士を目指すために、補助として転職して実務経験を稼ぐのもありです。
社労士は顧問契約を業務としているところが多いですが、単価が税理士よりも低めのようです。
このため、年収も税理士と比べると低めのようです。
ただし、試験の難易度は税理士と比べると低めで、1000時間というのは1年でなんとかできる勉強量ですので、比較的チャレンジしやすい資格です。
資格の難易度(お手軽さ) | 「B」やや難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「B」実務経験が必要。 |
資格の役立ち度 | 「A-」転職も独立もやりやすい。顧問料もとれるので割と年収は高い。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「A+」難易度の割りに稼ぎ易い。コスパよしの資格。 |
社労士の難易度・勉強時間・通信講座についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
-
社労士資格試験の難易度を解説!合格するための勉強法とは?
続きを見る
-
社労士の勉強時間を800時間で最短合格するための独学勉強法
続きを見る
-
【2023年最新】社労士通信講座のおすすめと比較は?失敗しない選び方も解説
続きを見る
⑧行政書士
「行政書士になるための道のり」「平均年収」「必要な勉強時間」は以下のとおりです。
①行政書士になるには!? 受験資格なし➤行政書士試験合格➤行政書士登録 ②行政書士の平均年収は!? 600万円(参考:平均年収.JP) ③試験に合格するための勉強時間 600時間(参考:cpa-net.jp) ④合格者の平均年齢は? 30代が多い(40%)(参考:https://www.foresight.jp/gyosei/column/finding-employment/) ⑤登録者数は? 46,205人
行政書士は難易度が他の士業よりも低めでチャレンジしやすい士業です。
ただし、有資格者の数が多すぎるのもあり、稼げにくい士業と言われていますが本当はどうでしょうか。
工夫次第では年収1,000万円以上を稼げる人も多くいるみたいです。
資格の難易度(お手軽さ) | 「B」やや難関。 |
合格から登録までのしやすさ | 「A」登録費用払えば即登録できる。 |
資格の役立ち度 | 「C」独立特化資格。転職はやりにくい。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「B+」独立一本型。独立志向にとってはコスパよし。 |
行政書士の難易度・勉強時間・通信講座についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
-
行政書士試験の勉強時間の使い方!合格に必要な勉強時間とは?
続きを見る
-
【2023年最新】行政書士通信講座のおすすめと比較は?失敗しない選び方も解説
続きを見る
⑨宅建
「宅建になるための道のり」「平均年収」「必要な勉強時間」は以下のとおりです。
①宅建士になるには!? 宅建士試験合格➤実務経験2年必要➤宅建士登録 ②宅建士の平均年収は!? 400~600万円
宅建士もまた難易度が他の士業よりも低めでチャレンジしやすい士業です。
ただし、宅建の場合、実務経験が2年以上ないと登録できない点に注意してください。
資格の難易度(お手軽さ) | 「A」普通。 |
合格から登録までのしやすさ | 「B」実務経験2年以上必要。 |
資格の役立ち度 | 「A」転職にも独立にも有利。資格手当がもらえやすい。 |
30歳からの一発逆転性 | 「A」合格者平均年齢が高く一発逆転性あり。 |
コスパランク | 「A+」転職にも独立にも役立つ。難易度低めでコスパよし。 |
2.コスパのよい資格のランキングはどれか?
結論から言うとコスパ最強資格は「弁理士」「行政書士」「社労士」であり、「税理士」「不動産鑑定士」「宅建」あたりもおすすめです。
①弁理士➤勉強時間はかかるがリターンが大きすぎる。(独立・転職に有効)。コスパ最強資格。
②社労士➤1年で合格しやすく、転職・独立にも有利。
③行政書士➤転職に有効ではないが、資格難易度が低めであり、独立開業で成功しやすい
3.コスパのいい資格ランキングのまとめ
弁理士は勉強時間はかかりますが、資格をとれば転職に有利ですし、独立開業で稼ぎやすい資格といえます。
特に弁理士については、30代から資格をとっても転職(特許事務所)に有利となりおすすめです。
いずれも試験勉強は大変ですが、リターンは大きいといえます。
弁理士の勉強法は以下の記事が参考になるでしょう。
-
弁理士試験に必要な勉強時間とは?合格するための勉強法とポイント」
続きを見る
もちろん、自分がやりたい仕事にあった資格を目指すのが一番ですが、労力とその対価、失敗するリスクもふまえて考えるのも重要です。
ただし、これらの資格は比較的勉強時間が多いです。
そこで、1,000時間以下の勉強量で合格するなら、「社労士」「行政書士」がおすすめです。
社労士と行政書士の勉強法はこちらで解説しています。
-
社労士の勉強時間を800時間で最短合格するための独学勉強法
続きを見る
-
行政書士試験の勉強時間の使い方!合格に必要な勉強時間とは?
続きを見る
勉強は通信講座を利用することがおすすめです。
独学でも一部の資格では可能ですが、資格勉強にかける時間を大きく減らすことができるとともに、通学講座と比べて自分のペースでやりやすいからです。
ただし通信講座は価格・質・合格実績とさまざまです。自分に合ったものを見つけましょう。
このためにしっかりと通信講座を比較検討することをおすすめします。
弁理士の通信講座はこちらの記事が参考になるでしょう。
-
【2023年最新】弁理士通信講座のおすすめと比較は?合格者が解説
続きを見る