知財の転職

弁理士の就職・転職先のおすすめは?5つ紹介

「弁理士の資格をとったけど、就職・転職先ってどんなところがあるんだろう…特許事務所以外にあるのかな?」

「弁理士の資格をとったけど、今の職場をやめて弁理士としてこれからキャリアを積んでいくべきか不安だな…」

 現職の仕事をしながら、キャリアアップを目指して弁理士の資格をとった方は多いと思います。

 しかし、いざ弁理士の資格をとって就職に踏み切ろうと思っても、自分にあった就職先が見つけられるのか、うまくやっていけるかどうか不安に思うかもしれません。

 そこで今回は弁理士の資格をとってこれから新しいキャリアを積んでいこうと考えている20代30代の方向けに、弁理士の就職・転職先を紹介したいと思います。

 この記事を読めば、はじめに行くべき就職・転職先を知ることができ、弁理士として失敗することなくキャリアを積んでいくことができます。

 本ブログ(旧ブログ)から、転職エージェント「リーガルジョブボード」を通じて、3名の方が転職に成功しています。

①45歳女性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。

②28歳男性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。

③49歳男性。実務経験者の方が大手特許事務所へ転職。

 いずれの方も、転職エージェントの方が言うには、安心して実務を学びたいという気持ちで転職されたそうであり、希望が叶い、入職後も不満はないそうです。

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弁理士の就職・転職先をまず知ろう

 まず予備知識として弁理士の就職先としてどういうところがあるかお話しします。 

 就職先としては、以下の5つが考えられます。

①特許事務所※主に特許出願・商標出願業務

②企業知財部※リエゾン・係争・法務・経営戦略と幅広い

③技術移転機関(TLO)※ライセンス・特許権の譲渡

④知財支援会社 ※知財コンサル・外国出願仲介・年金管理

⑤翻訳会社 ※特許翻訳

 順番に説明します。

弁理士の就職・転職先①特許事務所

 弁理士の就職先で最も多いのが特許事務所です。

 特許事務所では主に特許出願業務と商標出願業務を行います。意匠出願は稀です…

 後は、自社製品が他社特許を侵害しているかどうか、他社製品が自社特許を侵害しているかどうかの鑑定業務も行いますが、ほとんどが特許出願業務と商標出願業務です。

 大手特許事務所では、弁理士が特許と商標を担当することは稀であり、分業化されていますが、中小特許事務所では、特許も商標も両方担当できます。

 出願業務と鑑定業務については、弁理士の独占業務であり、弁理士の資格を最も活かしたいのであれば特許事務所がおすすめです。

 たいていの特許事務所は成果主義をとるので、案件をたくさん処理して売り上げを稼げば若いうちから年収アップを見込めます。

 また、基本的に個人プレーであり、サラリーマンのような縛りもなくフレックス制度・在宅制度も充実しているのでとてもやりやすい環境です。

 最近では、休憩室でテレビゲームができる特許事務所もあるようです。

 デメリットとしては、専門性の高い仕事なのでなかなかスキルが上がらず最初のうちは苦労することがあることです。

 ただし、スキルがみにつければ、若いうちから高い年収を稼げて自分の裁量で好きなように仕事ができるのでとてもおすすめです。

弁理士の就職・転職先②企業知財部

 弁理士の多くは企業の知財部で働いています。

 企業知財部では、リエゾン業務、係争業務、法務、経営戦略などを担当します。

 リエゾン業務は、企業内の発明者と特許事務所の橋渡し的な役割です。

 出願業務を内製化しているところでは、弁理士が特許明細書を書いているところもあるようです。

 更に、研究所に足を運び、発明者と相談しながら発明発掘を行い、特許の権利化までの戦略をたてていきます。

 法務については、弁理士が担当することは稀ですが、契約書の作成や評価などを行います。

 経営戦略については、知財のデータを活かして経営戦略をたてていきます。IPランドスケープとも呼ばれています。

 大手企業では、リエゾン、係争、法務、経営戦略は分業化されているためどれかの部隊に配属することになりますが、ベンチャー企業ではいずれも担当することが多いようです。

 知財について戦略的な仕事をしたい方におすすめです。

 デメリットとしては、弁理士でなくてもできる仕事がほとんどであり、弁理士の資格をとった旨味が活かされないことです。

弁理士の就職・転職先③技術移転機関

 技術移転機関(TLO)は、大学の発明・特許を企業へ譲渡する機関であり、大学と企業との橋渡し的な役割をします。

 TLOでは、主にライセンス・特許権の譲渡などを行うようです。

弁理士の就職・転職先④知財支援会社

 知財支援会社の代表的なところとしては「日本技術貿易」があります。

 知財支援会社では、知財コンサル業務、外国出願の仲介、特許などの知財の年金管理を行います。

 意外と知られていないですが、高年収で福利厚生も充実しておりおすすめです。

弁理士の就職・転職先⑤翻訳会社

 最後に紹介するのは翻訳会社であり、主に特許翻訳を担当します。

 翻訳会社というと、弁理士でなくて翻訳者じゃないの?と思いがちですが、最近では翻訳会社の中に特許事務所のような形態を立ち上げるところもあり、弁理士のニーズも増えているようです。

弁理士のおすすめの就職・転職先は?

 弁理士の就職・転職先としてあなたにまず特許事務所を就職することをおすすめします。

 理由は、特許明細書を書けるようになることがまず弁理士のキャリアアップとして重要であると考えるからです。

 例えば、知財コンサルをやるにせよ、係争案件をやるにせよ特許明細書を理解したり、分析・解析したりする能力が必要となります。

 理解したり分析解析できるようになるには特許明細書を書けるようになる必要があります。

 特許明細書が書けるようになって、知財コンサルや係争業務などができるようになっていきます。

 一方、特許明細書が書ける場としては、特許事務所しかありませんし、弁理士の独占業務をしっかりこなせることによって、弁理士としての存在感も増していきます。

 このため、まずは特許事務所に就職することをおすすめします。

 そこから、知財支援会社・企業知財部などに転職して幅を広げていくのがよいかなと思います。

 

特許事務所への転職の失敗しないやり方は以下の記事が役に立つと思います。

特許事務所の転職に失敗・後悔しないための特許事務所の選び方|未経験者向け

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