特許事務所を辞めたい。
けれど次見つかるかどうか不安だし、見つかったとしてもやっていけるかどうか不安だなあ。
こうした疑問・悩みに答えます。
結論から言うと、特許事務所を辞めたいと思ったら辞める準備をしたほうが賢いです。
筆者は、これまでに特許事務所・法律事務所を3回辞めました。
- 1つめの特許事務所(3年間) ➤指導が不十分に感じ、このままではスキルが身につかないと考えて退職
- 2つめの特許事務所(1年ちょい)➤実務スキルが身につくが、このままでは待遇(年収)が上がらないと考えて退職
- 3つめの法律事務所(3年間) ➤独立を志し、独立のため退職
1つめの特許事務所では、辞めてから転職活動を始めました。
2つめの特許事務所では、働きながら転職活動をしていました。
筆者の考えでは、年収などの待遇に不満がある場合は、働きながら転職活動をすすめますし、パワハラなど環境に耐えきれない場合にはすぐに辞めることをおすすめします。(理由は後述。)
結果的に、転職を3回(最初は零細ブラック企業で技術職)繰り返しており、ジョブホッピングは日本では好ましいと言われていませんが、ステップアップがうまくできたと思います。
本内容では、自身の経験を踏まえて、特許事務所を辞めたいと思ったらどうすべきか解説していきます。
本内容の構成
1.特許事務所を辞めたいと思ったら辞めた方がよい理由
2.特許事務所を辞めるデメリット
3.特許事務所を辞めたいと思ったら失敗しない準備のやり方
4.特許事務所を辞めることは小さなステップです
本ブログ(旧ブログ)から、転職エージェント「リーガルジョブボード」を通じて、3名の方が転職に成功しています。
①45歳女性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
②28歳男性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
③49歳男性。実務経験者の方が大手特許事務所へ転職。
いずれの方も、転職エージェントの方が言うには、安心して実務を学びたいという気持ちで転職されたそうであり、希望が叶い、入職後も不満はないそうです。
目次
1.特許事務所を辞めたいと思ったら辞めた方がよい
特許事務所を辞めたいと思ったらすぐ辞めてもよいです。理由は以下のとおりです。
①あなたの悩み・不満を職場が解決することは難しいため
②特許事務所間の転職は企業と違ってやりやすいため
③転職によって、あなたの悩み・不満を解決する可能性は高いため
個人的に②が大きいと思います。
筆者は安易に企業を辞めることはおすすめしませんが、特許事務所であればありです。
以下、理由を詳しく解説します。
①あなたの悩み・不満を職場が解決することは難しいため
あなたの悩み・不満を職場に訴えても解決することは難しいです。
「指導を改善してほしい」
「年収を上げてほしい」
「リモートワークで働きたい」
こうした悩みを所長・上司に訴えても、要望が満たされなかったことは多いです。
というのも、特許事務所が所員の個別の要望を満たすように動いていたらシステムとして成立しにくいためです。
ただし、以下の要望の場合は改善されることはありうるでしょう。
①「上司・指導者を変えてほしい」
②「忙しくて仕事量を減らしてほしい」
この場合であればわざわざ辞める必要はないです。
特に仕事量が多くてきつい場合、はやめに言ったほうがよいです。
ここで、仕事量は多いことに不満はないが、給料が見合ってない場合、転職すれば年収アップが見込める可能性が高く、転職活動をすすめることをおすすめします。
この場合、仕事量を減らしてほしいと言ってなるべく定時に帰り、転職活動を並行することをおすすめします。
②特許事務所間の転職は企業と違ってやりやすいため
経験者である場合、特許事務所間の転職はやりやすいといえます。
理由は、特許事務所でやることはクライアントがかわるとはいえほぼ同じであり、転職先も決まりやすく、転職先でもうまくなじめやすいためです。
特に、中小の特許事務所で丁寧に仕事をすすめている場合には、大手の特許事務所で転職すると比較的仕事はすすめやすいといえます。
面接回数も1~2回で終わることがほとんどですし、転職エージェントに頼めば、面倒な作業も代理で引き受けてくれます。
転職エージェントは特許事務所に精通したエージェントか、年収アップが見込みやすいエージェントをおすすめします。
おすすめの転職エージェントは過去記事で紹介しています。
-
知財・特許に強い転職エージェントを弁理士が紹介
続きを見る
③転職によって、あなたの悩み・不満を解決する可能性は高いため
悩み・不満を解決するのは、今の職場ではなく、転職先の職場であることがほとんどです。(筆者もそうでした。)
特に不満のほとんどは待遇(年収)にあるのではと思います。
筆者の体験談からも言えますし、周りの知人もたいていはそうでした。
知人(30代前半)2人の体験談。
- 大手特許事務所勤務。待遇(年収)に不満➤知財系の会社へ転職。待遇は200万円UPに成功。
- 大手特許事務所勤務。待遇(年収)に不満➤優良中小特許事務所へ転職。1000万円プレーヤーに。
もちろん転職して失敗するリスクも考えられます。
環境が劣悪で今すぐ辞めたい以外は働きながら慎重に転職活動をすすめることをおすすめします。
2.特許事務所を辞めるデメリット・リスク
デメリットは以下のとおりです。
①慣れた仕事をまた0からスタートしないといけない
②転職回数が増えると転職しづらくなる
①については、今の職場で仕事になれてきたのに、別の特許事務所へ転職するとまた1からしないといけないというリスクがあります。
ただし、この点について言うと、仕事に慣れてきたというのは確かに楽ですが、さらなるスキルアップは期待しにくく、別の特許事務所へ転職することで新たなスキルをみにつけられることにつながります。
また、前述のとおり、特許事務所ではどこもほぼ同じような仕事をしているのですから、今の仕事に慣れているのなら、よその特許事務所でも慣れるはずです。
②については、転職する理由がしっかりとあれば特許事務所も許容されるケースが多いでしょう。
なお、転職によって前職の悩みが改善されたけど、転職によって新たな悩みが増えたというケースはあります。
そうすると、また転職しないといけない羽目になりますのでこのようなことがないように、入念に転職の準備をしましょう。
3.特許事務所を辞めたいと思ったら失敗しない準備のやり方
準備のやり方は以下のとおりです。
①今の不満・要望を箇条書きにリストアップ
②在職中にリストアップした要望を満たせる求人を探す。
③面接・筆記対策などは事前に把握しておく。
ポイントは、まず今の特許事務所を辞めたいと思う理由を箇条書きでリストアップして洗いざらいにすることです。
- 「売上に貢献しているが年収が安い」
- 「明細書ばかりやらされている」
- 「リモートワークで働きたい」
- 「定時に帰ろうとするとパートナーが文句を言ってくる」
リストアップしていくと、あなたに合った特許事務所はどういうところなのかが見えてきます。
ただし、リストアップしたものすべてが改善される可能性は低いでしょう。
そこで、改善の優先順位をつけることをおすすめします。
- ①「売上に貢献しているが年収が安い」➤年収アップ
- ②「明細書ばかりやらされている」 ➤係争案件も担当したい
- ③「リモートワークで働きたい」
- ④「定時に帰ろうとするとパートナーが文句を言ってくる」 ➤いちいち干渉してこない環境がよい
あとはこのリストアップした要望を満たせる求人を探します。
探し方は「パテントサロン」「転職サイト」「転職エージェント」「知人の紹介」などさまざまです。
特にあなたが未経験者に近い(経験年数1年ほど)場合、リーガルジョブボードだとエージェントが中小規模の特許事務所の内部情報に詳しく、相談すればあなたが転職に失敗するリスクを回避できるでしょう。
リーガルジョブボードの三島さんは筆者もお世話になったことがあり、信頼できます。
本ブログ(旧ブログ)から、転職エージェント「リーガルジョブボード」を通じて、3名の方が転職に成功しています。
①45歳女性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
②28歳男性。業界未経験の方が大手特許事務所へ転職。
③49歳男性。実務経験者の方が大手特許事務所へ転職。
いずれの方も、転職エージェントの方が言うには、安心して実務を学びたいという気持ちで転職されたそうであり、希望が叶い、入職後も不満はないそうです。
現状を変えるなら転職がおすすめですし、行動しないと年齢的に不利になってしまいます。
辞めたと思ったらまず行動することをおすすめします。