士業でバーチャルオフィスを利用するのはあり!?
開業資金を抑えたい。
こうした疑問に答えます。
この記事を書いている人
- 行政書士有資格者(弁理士試験合格のため)
- 弁理士で独立開業。
- 経験に基づいた試験勉強法を発信。資格スクエアのYoutubeチャンネルにて勉強法を発信。
士業が開業する場合、事務所の選択パターンとして「レンタルオフィス」「バーチャルオフィス」「自宅兼業」の3つが考えられます。
「レンタルオフィス」は場所にもよりますが相場は月75,000円ほどと高めですし、「自宅兼業」の場合にも消費税がかかったり、自宅の住所を公開してしまうという問題があります。
そこで、なるべく初期投資を抑えたい方にとって「バーチャルオフィス」は魅力的な選択肢の1つと思います。
ただし、「バーチャルオフィス」は格安であるものの、利用できない士業もありますし、向いていない・やめとけと思う人もいます。
そこで本内容では、士業でバーチャルオフィスを利用することがありの人について解説していきます。
本内容の構成
1.バーチャルオフィスを利用できない士業
2.バーチャルオフィスを利用することがありの士業の特徴
3.士業がバーチャルオフィスを利用する場合の注意点
4.士業とバーチャルオフィスのまとめ
目次
1.バーチャルオフィスを利用できない士業
士業の中には、開業するにあたり以下の要件を義務付けているところがあります。
- ①物理的なスペースを開業の要件としている➤「司法書士」「行政書士」「弁護士」
- ②開業にあたり賃貸借契約書の提出が必要➤「税理士」「弁護士」
- ※バーチャルオフィスでは賃貸借契約書は発行できません。
このため、「弁護士」「司法書士」「行政書士」「税理士」は個人事務所であってもバーチャルオフィスを利用することはできません。
一方、上記①と②の要件を義務付けていない士業、例えば、弁理士や社労士などについてはバーチャルオフィスを利用することはできます。
また、バーチャルオフィスには登記も可能なところもあるので法人で開業する場合もできます。
2.バーチャルオフィスを利用することがありの士業の特徴
バーチャルオフィスを利用することがありの人の特徴は以下のとおりです。
- ① 自宅で仕事をしたい方
- ② 開業資金を少しでも抑えたい方
- ③ クライアントとの面談はメール・電話・テレビ電話がほとんどの方
- ④ 自宅の住所を晒したくない方
- ⑤ 事務所が一等地にあることをアピールしたい方
特に④か⑤について気にならない方は自宅を事務所ですることでよいと思います。
なお、自宅を事務所とする場合、管理会社に許諾を得る必要があります。許諾の条件に消費税がとられることがあります。
一方で自宅の住所を晒すことに抵抗があったり、事務所を立派に見せたいという方にとってはバーチャルオフィスはおすすめと思います。
ただし、一等地の住所とすると、それだけバーチャルオフィスにかかる費用は高くなることに注意してください。
住所の名義貸しだけで月額10,000円以上はかかると思います。
弁理士とバーチャルオフィスは相性がよいといえる理由
なおここで補足しておくと弁理士はバーチャルオフィスと相性がよいと思います。
理由は以下のとおりです。
- ①バーチャルオフィスの利用が可能。
- ②自宅で仕事ができる
- ③クライアントとの面談は電話やテレビ電話でもできる。
- ④外国のクライアントもとれる。(おそらく士業の中では特異?)
- ⑤クライアントが外国の場合、事務所の規模・住所はそれほど重要とならない。
弁理士の場合、外国人も日本で特許等の知財をとりたいことがあり、外国人のクライアントもとれます。
外国人の場合、直に面談と言うことがなく、また事務所の規模・住所はさほど重要とならないのでバーチャルオフィスでも問題がないことがあります。
3.士業がバーチャルオフィスを利用する場合の注意点
バーチャルオフィスは格安のイメージがありますが、住所の名義貸しだけの料金である場合があります。
オプション料金として、荷物の転送に伴う費用、電話の転送に伴う費用などがかかります。
例えば、荷物の転送については、2週間に1度まとめて転送される、ということがあり、どうでもよいような荷物についても転送されて費用がかかってしまいます。
また、バーチャルオフィスは住所の名義貸しだけであり、固定電話番号やFAX番号はもらえません。
固定電話やFAX番号はまた別の所で契約する必要があり、当然料金がかかります。
なお筆者は固定電話はネオ・フリーコールを利用し(フリーダイヤル)、FAXはe-FAXを利用しています。
プランによって異なりますいずれも月額5,000円程度です。
また、バーチャルオフィスを利用する場合、HPサイトに住所をテキスト形式で載せないでくれと言う業者から依頼がくることがあります。(理由は不明ですが…)
この場合、住所情報については画像データで表示したり、住所をテキストで表示している部分については「noindex,nofollow(Googleで検索されないようにすること)」にする必要があります。
また、バーチャルオフィスを利用する場合、架空のスペースなので信頼度が欠けます。
そのため、その分の信頼度を補い、集客するためにWebサイトを洗練されたものとすることが必要になったりします。
Webサイトを自作できれば問題ないですが、業者に依頼する場合、費用も高くつきますので注意してください。
(トップページのサイトの画像にあたかも存在するかのような立派なオフィスの画像をのせて訪問者に錯覚させる?ことも考えられますが自己責任で笑)
4.士業とバーチャルオフィスのまとめ
バーチャルオフィスを利用することがありの人の特徴は以下のとおりです。
- ① 自宅で仕事をしたい方
- ② 開業資金を少しでも抑えたい方
- ③ クライアントとの面談はメール・電話・テレビ電話がほとんどの方
- ④ 自宅の住所を晒したくない方
- ⑤ 事務所が一等地にあることをアピールしたい方
具体的なバーチャルオフィスの比較はこちらの記事で紹介しています。